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本人が認知症などにより判断能力十分ではないため、成年後見制度を今すぐ活用したい

成年後見制度は精神上の障害(知的障害、精神障害、認知症など)により判断能力が十分でない方が不利益を被らないように家庭裁判所に申立てをして、その方を援助してくれる人を付けてもらう制度です。

そして、障害といっても人それぞれ症状が異なり、単純に説明できる内容ではありませんが、この制度には「本人を保護する必要度」を基準に、必要度が高い順に「後見・保佐・補助」という区分があります。

たとえば、一人暮らしの老人が悪質な訪問販売員に騙されて高額な商品を買わされてしまうなどといったことを最近よく耳にしますが、 こういった場合も成年後見制度を上手に利用することによって被害を防ぐことができる場合があります。

また、成年後見制度は精神上の障害により判断能力が十分でない方の保護を図りつつ自己決定権の尊重、残存能力の活用、 ノーマライゼーション(障害のある人も家庭や地域で通常の生活をすることができるような社会を作るという理念)の理念をその趣旨としています。

よって、仮に成年後見人等が選任されてもスーパーでお肉やお魚を買ったり、お店で洋服や靴を買ったりするような日常生活に必要は範囲の行為は本人が自由にすることができます。

1.後見人等の職務について

前述のとおり、本人を保護する必要度合いに応じて、3つの類型に分かれます。選任される後見人等も、どの類型かによって、権限が異なります。

1.後見人

財産管理に関するすべての行為について代理権が持つ。また、本人がした契約を取り消すこともできる。ただし、本人がした日用品の購入などの日常生活に関することは取り消せない。

2.保佐人

たとえば、不動産などの重要財産の売買、贈与契約、借金をするといった、民法13条1項各号に規定する重大な法律行為について、同意権を持つ。状況により、特定の法律行為に対して代理権を与え、または同意権の範囲を広げることもできる。

3.補助人

何の権限も法定されていない。状況に応じて、特定の法律行為に対する同意権または代理権が付与される。他の2つとの決定的な違いは、補助人を選任するために本人の同意が必要である点。

 

2.成年後見制度の主なメリットは?

・判断能力が低下した本人の財産管理と身上看護をすることができる

・その内容が登記されるので成年後見人等の地位が公的に証明される

・成年後見人等には取消権があるので本人が詐欺に遭っても契約を取り消すことができる

 

3.後見人等は本人の資産を自由に使えるわけではない

後見人等は、法定代理人として、本人の全ての資産を管理することになります。しかし、後見人等は本人の財産を自由に使えるわけではなく、本人の財産と後見人自身の財産とを分けて管理しなければなりません。

後見人等には、本人の利益のために本人の資産を使う法律上の義務があります。特に、親族が後見人等に選任されたときは注意したほうが良いでしょう。

たとえば、子が親の後見人等になった場合に、自分のために親の財産を使えば業務上横領になります。また、本人のお金で後見人等自身の物を買ってしまった場合も該当します。

この義務に違反した場合は本人へ弁償しなければならず、そのことで損害が発生した場合には損害賠償責任を負います。併せて、後見人等を解任させられるおそれがあります。

 

4.本人の意思決定が必要な行為は成年後見制度の対象外であることに注意

後見人等は、自分に与えられた代理権・同意権・取消権を通じて、本人を法的に支援します。しかし後見人等の支援は法律行為の範囲であり、一定の行為は対象外となります。対象外の行為の例は、以下のとおりです。

 

1.本人の意思を強制するような行為

・手術、入院などの医療行為の強制
・施設への入所の強制

 

2.本人の意思のみによって行うこととされているもの

・結婚、離婚
・養子縁組、離縁
・認知
・遺言書の作成

 

3.後見人等の役割ではないもの

・食事、入浴、排せつなど現実に介助する行為
・身元保証人、身元引受人
・医療行為に対する同意

 

5.積極的な資産運用・税対策ができないことに注意

後見人等は本人の財産管理を行いますが、「管理」には積極的な資産運用や将来の相続税対策は含みません。たとえば、後見人等が株や投資信託に投資をしようと考えた場合に、そのことを本人が理解し、本当に望んでいることなのかの確認はしようがありません。あるいは、投資した結果、本人の財産にマイナスが生じさせた場合には、本人の利益にはなりません。

相続税対策で贈与や賃貸マンションを建設することも同様です。

本人の明確な意思表示を確認できない以上、本人に不利益が生じる可能性があることを後見人等は行えません。

 

6.本人の子供が後見人等になれない場合がある

実は後見人等に特別な資格は必要ないため、親族が家庭裁判所から後見人に選任される場合もあります。たとえば後見人等の開始の申立て時に、本人の子供を後見人等の候補者にできます。しかし、必ずしも候補者が選任されるとは限りません。本人が高額な財産を有している場合や財産管理が困難な場合などは、家庭裁判所の裁判官は、弁護士、司法書士などの専門家を選任するケースもあります。

専門家が選任される場合、年に1度、本人の財産から報酬を受け取りますので、予想外の出費が発生する可能性があります。

なお平成31年には、最高裁が「後見人となるにふさわしい親族等の身近な支援者がいる場合は,これらの身近な支援者を後見人に選任することが望ましい」との方針を示しています。従って今後は、親族が選任される割合が高くなると予想されます。

なお、本人の子供が後見人等に選ばれない「欠格事由」とは以下の通りです。


後見人等の欠格事由

1.未成年者

2.家庭裁判所から過去に後見人等を解任された人

3.破産者

4.本人と裁判で争った人(その配偶者及び直系血族)

5.行方不明の人

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